主催者ご挨拶

多田 千尋(Tada Chihiro)
特定非営利活動法人芸術と遊び創造協会理事長 東京おもちゃ美術館 館長
2013年度から開催されている木育サミットですが、第9回目を迎えます。全国の木育推進地域を開催地として木育の最新情報を発信してきた木育サミットですが、昨年度はコロナ禍という社会的状況を鑑み、初のオンライン開催となりました。そのような中でも日本各地、また外国から過去最多のご参加をいただきました。 今年度も引き続きオンライン開催によって全国各地の皆様にご参加いただけることを大変喜ばしく思います。
私たちは、くらしに「木」を取り入れ、子どもをはじめとする全ての人たちが木のぬくもりを感じながら豊かなくらしを送ることを目指す「ウッドスタート」の取り組みを進めております。
また、今年度は静岡県焼津市と徳島県さらには東京都檜原村に新たな姉妹美術館が開館し、木育推進拠点の展開も推し進めているところです。
全国各地に「木育」という言葉が広がり、活動が展開されていく中、今後は様々な仕掛けによって分野横断的に木育を一層推進していくことが一層重要になってきています。 人々や自然、くらし、営みを、「木育」を通してつなげ、「木育」の価値の共有に成功している仕掛けや体験を知ることで、実践に生かせる気づきと学びの場となることを期待しております。
メッセージ

天羽 隆(Amou Takashi)
林野庁長官
―木に変える みんなも変わる ウッド・チェンジ!―
今年度も昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症による制約がある中、木育サミット開催に向けてご尽力された関係者の皆様に感謝申し上げます。
さて、我が国の森林資源量は、この半世紀で大きく増加しております。
戦後造成され、成熟して利用期を迎えた森林資源を循環利用(伐って、使って、植えて、育てる)していくためには、木材の需要拡大を図ることが重要です。また、木材は建築物などに利用することで炭素を貯蔵でき、他の資材と比べて製造時のCO2排出量も少ないため、木材利用の促進は政府が掲げる2050年カーボンニュートラルにも貢献します。
木材利用を進めるため、皆様にはまず、身近なものを木に変える、暮らしの中に木を取り入れる「ウッド・チェンジ」を進めていただきたいと考えております。
ライフスタイルが大きく変化する中、子供から大人までを対象とした木育活動の重要性はますます高まっていると考えており、本サミットにおいて活発な意見交換が図られることを期待しております。

椎川 忍(Shiikawa Shinobu)
一般財団法人 地域活性化センター 理事長
稲作と漁労で生きてきた日本人の原点は、森、里、海の水の連環です。山があるから雨が降り、森があるから水が蓄えられ、きれいな湧水が出るのです。その水を稲作に使い、汚さずに海に返してきたから豊かな海が維持されたのです。
今こそ、このような民族の歴史に学び、サステナブルな社会をつくっていくことが求められています。
現在、わが国の森林は最盛期にあり、それを活用すべき時期にあります。そこで、私たちは国民運動として、短期的には都市住民(自治体)が山村地域の木を活用する運動を展開するとともに、長期的な視点では小さな子どもたちに木のおもちゃに親しんでもらい、森を大切にする気持ちを育んでいく運動を展開してきました。その象徴的な取組がこの木育サミットです。
私も第1回からすべて参加させていただいており、今では地域活性化センターに集う自治体からの派遣職員もその運営に参画させていただいています。このサミットにより、さらに多くの自治体や住民の方々が木育に関心を持っていただき、自らの生活のなかで実践していただくきっかけになることを心から願うものです。
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