木に親しみ、木を活かし、木と共に生きていく「木育」の活動を、多くの人に知ってもらうため、2014年から「木育サミット」を開催しています。全国各地の先進的な木育活動を紹介し、
継続的なネットワーク構築とともに木育の普及に努めています。
昨年度開催した「第10回木育サミット」ではコロナ禍で3回目となるオンライン開催を行い、
のべ1700名を越える参加者を得て、盛会のうちに幕を閉じることができました。
今年度は感染症対策のための様々な制限が緩和されたことを受け、4年ぶりに会場での開催といたします。
ご挨拶
2013年度から開催されている木育サミットは今年で11回目を迎えます。
コロナ禍を経て4年ぶりの会場開催となる今大会は、ウッドスタート宣言県第1号である滋賀県の、琵琶湖を舞台に開催いたします。
私たちは、くらしに「木」を取り入れ、子どもをはじめとする全ての人たちが木のぬくもりを感じながら豊かなくらしを送ることを目指す「ウッドスタート」の取り組みを進め、全国各地で木育に取り組む方々との連携・協働を行ってきました。また、木育サミットにおいては、分野を超えた連携を重要な方向性と位置付け、特に都市と森を繋ぐ木育活動の先進事例を発信してまいりました。
今回は「琵琶湖で語る、木育の未来」をテーマに、環境先進県である滋賀県内の木育活動や周辺地域の企業の取り組み事例を取り上げ、分断されている人々や自然、くらし、営みをつなぐ「木育」の価値を再確認し、またそれを全国に発信することで、さらなる木育推進やネットワークが展開していくことを目指してまいります。
多くの方々のご参加をお待ちしております。
多田千尋(Tada Chihiro)
特定非営利活動法人芸術とあそび創造協会 理事長
東京おもちゃ美術館 館長
メッセージ
三日月大造(Mikazuki Taizo)
滋賀県知事
「びわ湖木育サミット」がここ滋賀の地で開催されますこと大変嬉しく思います。
本県には、日本一大きく悠久の歴史を持つ世界有数の古代湖である琵琶湖があります。大きな琵琶湖ですが、県土に占める割合は約6分の1であるのに対し、森林は約2分の1を占めており、琵琶湖と一体となって四季折々の風景をつくり出し、多くのかけがえのない恵みをもたらしています。本県では、森林から琵琶湖までの環境と経済・社会活動をつなぐ健全な循環の構築に向けて、琵琶湖版SDGsであるMLGs(マザーレイクゴールズ)として13の目標を策定し、その達成に向かって多様な主体の皆様とともに取組を進めています。木育については、平成29年3月に全国の都道府県として初めてウッドスタート宣言を行い、木に触れ親しむ機会の提供や人材育成、そして今年度からは木育の拠点施設の整備に向けて関係する皆様と協議を進めています。
本サミットではこうした取組をはじめ、森・川・里・湖のつながりについて知っていただくとともに、皆様との意見交換を通じて、本サミットが木育の未来につながる貴重な時間となることを願っています。
青山豊久(Aoyama Toyohisa)
林野庁長官
びわ湖木育サミットの開催、おめでとうございます。本年は、数年ぶりにリアルな対面形式で、しかも琵琶湖の船上において開かれるとお聞きし、準備にご尽力いただいている関係者の皆様に改めて感謝を申し上げます。
我が国において戦後植林された森林の大部分は、利用期を迎えております。「伐って、使って、植えて、育てる」森林資源の循環利用のサイクルを確立し、次世代においても持続可能な社会を構築していく必要があります。
このため、国民の皆様に、木に触れ、その良さを実感していただくとともに、地域の森林資源の利用が、二酸化炭素の吸収固定、生物多様性の確保、国土の保全、水資源のかん養など森林の公益的機能につながっていることを知っていただくことが、とても大切だと思います。
本サミットにおける木育に関する活発な意見交換を通じて、子どものときから森林資源の利用の持続可能性についての認識が深まり、全国規模の木育の活性化、将来における木材利用の拡大に繋がることを期待しております。