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林野庁補助事業

第10回 木育サミット プログラム

第10回木育サミットは終了しました

『木育、これまでの10年、これからの10年』

第10回木育サミットでは、これまでの木育サミットを振り返りながら、
今後の木育の展開に向けた課題として、<団体間連携><都市住民の意識の醸成>
<カーボンニュートラルの実現>を意識しながら議論を深めていきます。

 

ライブ配信プログラム
記念講演

2022年12月17日(土)13:00-14:30
『森の市民をつくる​ ~森・里・川・海そして都市をつなぐために~』
​養老 孟司氏(東京大学名誉教授)

木育サミットが10回目を迎えるのを受け、これからの10年に向け、私たちの暮らしと森林との関わりを、基本に立ち返って考えます。
世界は人間の世界だけではなく、山や川や海と人々の暮らしがつながり、他の生物と関わり合いながら、影響し合いながら営まれているものであるということを、改めて認識できる機会を持ちたいと思います。

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講師 : 養老 孟司(Yourou Takeshi)  東京大学名誉教授

1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。専門は解剖学。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞を受賞。京都国際漫画ミュージアム名誉館長。

NPO法人「日本に健全な森を作り直す委員会」や、一般社団法人養老の森での活動を通じて、森をつくり直し、森・里・川・海のつながりの中で暮らしを問い直す取り組みを進めている。

主な著書:「バカの壁」「養老訓」「ほんとうの環境問題​」(新潮社)

第1分科会

​2022年12月17日(土)15:00-16:30
『ウッドショック下での福岡おもちゃ美術館の挑戦
    ~地方おもちゃ美術館の10年後の未来を示す~

2020~2021年にかけて起きたウッドショックによって、森林・木材業界にスポットライトが当たることが多くなりました。そのような状況の中、業界の中でも注目を浴びることの多い九州地域の中心都市・福岡に、2022年春、福岡おもちゃ美術館がオープンました。川上から川下(林業・木材加工・消費者)が連携し、地域の木材と技術を結集したこの美術館は、地方おもちゃ美術館の未来をどのように描くのでしょうか。ウッドショック以降の森林・木材業界における木育の意味を問い直します。

多田啓さん

パネリスト:多田 啓(Tada Kei) 株式会社アサモク 代表取締役社長

福岡県朝倉市で木材・建材販売、福岡市内でオフィスビル管理・駐車場経営を手掛ける。平成29年九州北部豪雨で先祖代々の山林の被災をきっかけに、自伐林家スタイルの山林管理を始める。日本木青連で木育や災害復興支援、ウッドトランスフォーム商品の開発や普及に携わる。企業・業界活動を通して、一般向けの植栽・木育事業や木材業界の社会への啓発を行っている。「都市と山林をつなぐ」がライフワーク。福岡おもちゃ美術館では、木材の手配に携わる。

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パネリスト:三瀬 宏土(Mitsuse Hiroto) 杠建設株式会社 専務取締役

2005年西南学院大学卒業後、三菱UFJ銀行に入行。2016年有限会社三瀬製材所に入社。2020年杠建設株式会社を設立。木材や建材の販売、建築工事の請負を行う。木材界の発展や地域社会の発展なくして自社の発展なしを理念とする。2022年度福岡県木材青壮年連合会会長、一般社団法人久留米青年会議所防災・減災委員会委員長。福岡おもちゃ美術館の施工監理に携わる。

田中智範さん

パネリスト:田中 智範(Tanaka Tomonori) ENsower(エン・ソワ―)代表

柳川高校卒業後に、株式会社丸仙工業へ入社。2022年6月に退社し、ENsower(エン・ソワー)創業する。 ENsowerは、ご縁+sower(種蒔く人)、「ご縁の種を蒔く人」という意味を持っており、人と人とのご縁が生み出す革命的な付加価値の創造によって地域の歴史・文化や環境を守り、100年後の子どもたちの笑顔の実現に挑戦している。協同組合福岡・大川家具工業会地域材開発部会の部会長も務めており、福岡おもちゃ美術館の什器製作に携わる。

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パネリスト:植木 啓能(Ueki Hiroyoshi) 株式会社ウエキ産業 代表取締役社長

福岡県出身。2004年に株式会社ウエキ産業に入社。同年、国産材内装建材事業の立ち上げを行う。全国の工務店様に室内ドアや杉・ヒノキ・センダンの巾ハギ集成材をメインとし、販売を展開。2019年より通信販売最大手企業と協業し、一般消費者向けに国産家具の販売に着手。

「国産材の可能性を無限化する」をコンセプトに国産材普及促進活動も行う。

福岡おもちゃ美術館では原木の製材及び床板加工や什器素材の提供で携わる。

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パネリスト:石井 今日子(Ishii Kyoko) 福岡おもちゃ美術館館長

特定非営利活動法人芸術と遊び創造協会運営 福岡おもちゃ美術館 館長。幼稚園、保育園、子育て支援センター勤務を経て、東京おもちゃ美術館立ち上げ、赤ちゃん木育ひろば運営に携わる。おもちゃコンサルタントによる子育てサロン「おもちゃの広場」「赤ちゃん木育寺子屋」開催。企業のコラボにより無印良品「木育広場」。日本財団との共同事業、難病児向けおもちゃセット「あそびのむし」の展開。Eテレ「まいにちスクスク」出演。

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座長:青野 裕介(Aono Yusuke) 株式会社Tree to Green 代表取締役

大学卒業後、金融・コンサルティング・環境エネルギー業界を経て2013年に㈱Tree to Greenを設立。長野県木曽郡を中心に、国産木材の需要拡大と地域の活性化、木育普及に積極的に取り組む。2022年4月からは木曽郡木曽町に自社工場の運営をスタート。2015年より木育推進委員会委員を務める。

​第2分科会
2022年12月18日(日)13:00-14:30  
  『森林に新たな価値を創造する』

「まちで木をつかう人が増えるしくみづくり」を実践している3名とファシリテーターを交えて、暮らしにおける木の魅力や、消費者の視点に立った森や木の需要について議論します。林業地と都市部の交流、一般の人が参加できる山づくり、誰もができる木のものづくりなど、それぞれが取り組む事例や根底にある考え方を伺い議論を深めることで、林業側が、都市住民やくらしに対して提案できる切り口を探ります。

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パネリスト:谷 茂則(Tani Shigenori)  谷林業株式会社 代表取締役

大学卒業後、谷林業(株)に入社。約10年かけて同社の財務基盤を整理し、財務体質を強化した。その間、税理士、宅地建物取引士等の資格を取得。その後、作業道開設を含め現場で林業に従事、林業関係資格を10以上取得。また、若くして意欲のある人材を幅広く募集し、新たに社員として採用してきた。陽楽の森プロジェクト発起人。現在、(一社)大和森林管理協会理事。森林林業の未来を信じ、斬新な視点で取り組んでいる。

奥川李花さん

パネリスト:奥川 李花(Okugawa Tokika)  株式会社ソマノベース代表取締役

高校時代に地元で紀伊半島大水害により被災したことがきっかけで、災害リスクの低い山づくりをしたいと思うようになり、現在は災害リスクの低い山づくりを目指し設立した(株)ソマノベースの代表取締役をつとめる。 育てた苗木が木材製品として戻ってくる、購入者が山づくりに参加できる新しい形の観葉植物「MODRINAE」を発表し、林野庁補助事業のWood Change Award にてブロンズ賞を獲得、その後同製品にてクラウドファンディングを成功させる。 大学時代からソーシャルビジネスに関わる活動をしていたこともあり、社会課題を解決していくビジネスにとても関心があり、林業を通して防災をしていくことはもちろん、大好きな地元和歌山県に関わる人を増やすことを目指す。 造林業を営む(株)中川のフォレストワーカーとしても勤務。

井上達哉さん

パネリスト:井上 達哉(Inoue Tatsuya)  VUILD株式会社 COO

1984年生まれ。岡山県西粟倉村在住。西粟倉村の地域材サプライチェーンを構築し間伐材プロダクトの製造販売事業を行う(株)西粟倉・森の学校の代表を経て、次世代型アーキテクト集団のVUILD㈱のCOOに就任。職住一体の田舎暮らしリモートワークを続けながら、ライフワークとしてマイクロ6次産業化の推進、タンコロ運動、山主を面白がる会、ちょうどいい材木ラジオ等、小さな林業や森と暮らしを繋ぐ横断したプロジェクトを行っている。

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座長:水谷 伸吉(Mizutani Shinkichi)  一般社団法人more trees 事務局長

1978年東京生まれ。

慶応義塾大学を卒業後、㈱クボタで環境プラント部門に従事。

その後インドネシアでの植林団体に移り、熱帯雨林の再生に取り組む。

2007年に坂本龍一氏の呼びかけによる森林保全団体「more trees」の立ち上げに伴い、活動に参画し事務局長に就任。

第3分科会

​2022年12月18日(日)15:00-16:30 
『木育さん、いらっしゃい!~「行動変容」に繋がる木育とは~』

なぜ木育を始めたのか、それによって個人の生き方や組織の在り方がどう変わったのか…木育によってそれまでの考え方を変え、新たな道を進み始めた人や組織から生の声を聞き、なにが行動変容を起こしたのかを分析していきます。それによって見えてきた要因(きっかけ)から、これからさらに木育が広く浸透していくために必要な視点を探ります。

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コメンテーター:大谷 忠(Ohtani Tadashi)  東京学芸大学大学院 教授

東京学芸大学大学院教授/富山県出身。東京農工大学大学院連合農学研究科博士課程修了,博士(農学)。博士(教育学)。

第1回木育サミット(東京学芸大学にて開催)から参加し,学校での木育活動や社会における木材加工と木育との関わり等について取り組んでいる。東京都木育支援事業委員,芸術と遊び創造協会理事(木育担当)等を務める。

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座長:小友 康広(Otomo Yasuhiro)  株式会社小友木材店 代表取締役

1983年岩手県花巻市に創業1905年の㈱小友木材店の長男として誕生。幼少期より経営に興味を持ち、大学卒業後「木材業の発展のためには、今伸びている産業や企業のことを学ぶべき」と思い、IT企業である現スターティアホールディングス㈱に2005年新卒入社。担当新規事業の成長をきっかけに、2009年に分社化、役員就任。2014年父親の他界をきっかけに㈱小友木材店の代表就任と同時に2拠点居住を開始。現在は東京と岩手で6社経営中。

​【期間限定 録画配信プログラム】
配信期間:2022年12月2日~2023年1月31日(予定)
木育スペシャルトーク

Ⅰ.【特別鼎談】『「東京」が地球を救う?都市部で木を使うことの意義を考える』

椎川 忍(一般財団法人地域活性化センター理事長)

庄司 良雄(東京木材問屋協同組合 理事長/一般社団法人 東京都木材団体連合会 会長)

山梨 知彦(株式会社日建設計CDO常務執行役員)

進行:馬場 清 (芸術と遊び創造協会)

2020年10月、わが国では、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。国内の森林資源の循環利用を進め、木材利用を拡大することは、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献するとともに、林業・木材産業の活性化を通じて、地域経済の活性化にもつながります。本企画では、木材消費において大きな役割を担う都市部での木材利用に対する意識醸成をテーマに議論を深め、国産木材の消費に与えるインパクト、地域経済活性化への期待、さらにはカーボンニュートラルへの貢献について考察します。

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椎川 忍(Shiikawa Shinobu)  一般財団法人地域活性化センター理事長

秋田県出身。東大法卒。1976年自治省入省、総務省自治大学校長、地域力創造審議官(初代)、自治財政局長などを歴任後、㈱日立製作所を経て地域活性化センター理事長就任。他、移住・交流推進機構業務執行理事、内閣官房地域活性化伝道師、総務省地域力創造アドバイザーも務める。羽黒古修験道山伏善永(七度位、先達)。総務省在職中は、地域おこし協力隊を創設するとともに、「緑の分権改革」(あるものを生かす地域力創造)の基本的考え方を確立した。

庄司さん

庄司 良雄(Shoji Yoshio)  東京木材問屋協同組合理事長 / 一般社団法人東京都木材団体連合会会長

創立100年以上の歴史と伝統を誇る組合の理事長として、木のまち新木場において「木材会館」を運営すると共に、木材の優しさ・強さ・美しさを具現化したランドマークを通じて、都市建築における木材利用を推進している。また、木材需要拡大に向け、木の良さを科学的データに基づき数値化し、一般消費者に広く発信するため、千葉大学との共同研究に取り組んでいる。

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山梨 知彦(Yamanashi Tomohiko)  株式会社日建設計CDO常務執行役員

1984年東京藝術大学建築科卒業。1986年東京大学大学院修了。日建設計に入社。現在、チーフデザインオフィサー、常務執行役員。建築設計の実務を通して、環境建築やBIMやデジタルデザインの実践を行っているほか、木材会館などの設計を通じて、「都市建築における木材の復権」を提唱している。日本建築学会賞、グッドデザイン賞、東京建築賞などの審査員も務めている。

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進行:馬場 清(Baba Kiyoshi)  特定非営利活動法人芸術と遊び創造協会事務局長

1963年東京都生まれ。高校、大学の教員を経て、2010年4月、特定非営利活動法人芸術と遊び創造協会事務局長に就任。東京おもちゃ美術館が進めている「ウッドスタート」の取組において、全国の自治体と組んで、木育推進に取り組んでいる。

Ⅱ. 【基調報告】「カーボンニュートラル時代、木育の新時代を拓く」

山下 晃功(島根大学名誉教授)

木育に関わる方々がベーシックナレッジとして立ち返ることのできる、

木育にとって必要な森林・樹木に関する基本的な知識、「木育」のはじまりと歩みを網羅した講義です。

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講師:山下 晃功(Yamashita Akinori)  島根大学名誉教授

1945(昭和20)年10月 岐阜県岐阜市生まれ。島根大学名誉教授 木材加工教育専攻。2007(平成19)年~2010(平成22)年林野庁 木育推進体制整備総合委員会座長。現在も島根大学公開講座「生涯木育(成人向け)」を主宰し、木育人材育成を実施。『木工革命―合板・DLモジュール木工―』(海青社)など著書多数。

木育トップリーダートーク

(1)【特別対談】『カーボンニュートラル実現に向けた木材利用と木育推進の意義』

織田 央(林野庁長官) × 多田 千尋(東京おもちゃ美術館館長)

2020年、国は「2050年カーボンニュートラル」を宣言。森林によるCO2吸収や木材の炭素貯蔵といった機能の重要性があらためて認識され、森林資源を循環利用し木材利用を拡大することでカーボンニュートラル実現に貢献することが期待されています。木の良さを伝え、暮らしに木を取り入れることを提案する「木育」もまた、一般消費者に対して森林資源の循環利用を促すことでカーボンニュートラルに大きく貢献できると考えられます。カーボンニュートラル実現に向け、木材利用と木育推進の重要性が高まっている今、私たちが取り組むべきことはなにか、林野庁長官を直撃し、明日からの木育のヒントを探ります。

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織田 央(Orita Hiroshi)  林野庁長官

長崎県出身。東京大学農学部卒業後、農林水産省へ入省。林野庁森林整備部計画課長、林野庁森林整備部長、林野庁国有林野部長を歴任。2021年林野庁次長に就任。2022年7月林野庁長官に就任。

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​多田 千尋(Tada Chihiro)  東京おもちゃ美術館館長

特定非営利活動法人芸術と遊び創造協会理事長、東京おもちゃ美術館館長、高齢者アクティビティ開発センター代表。乳幼児から高齢者までの遊び・芸術によるアクティビティケア及び世代間交流の実践・研究に取り組む。
全国50市町村、20企業、20園とウッドスタート宣言を行い、「木育」を全国的な国民運動に押し上げる。 年間入館者数10万人を超える、木育のシンボル「おもちゃ美術館」は東京、沖縄、山口、岩手、静岡、徳島、香川、福岡など2023年までに全国12館が創設され、赤ちゃんからお年寄りまでの多世代交流型のけん引役も務める。

(2)【木育に取り組む「ウッドスタート宣言自治体」のリーダーへのインタビュー】

​『群馬県の森づくりと木工による地域づくり ‐木育の視点から‐』

山本 一太(群馬県知事)× 黒澤 八郎(上野村村長)

インタビュアー: 長谷川 泰治(株式会社長谷萬)

首都圏の水源である利根川水系の上流に位置し、関東一の林業県である群馬県。県としての森林政策と、上野村による地域の資源や環境に合わせた取り組みについてお伺いしながら、地域の森林資源を循環させるために木育を含めた具体的な取り組みがどのような効果を発揮しているのか、今後の展望も交えてご紹介いただきます。

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山本 一太(Yamamoto Ichita)  群馬県知事

1958年生まれ、群馬県草津町出身。1985年、米国ジョージタウン大学大学院国際政治学修士課程修了後、国際協力事業団(JICA)、国連開発計画(UNDP)勤務。1995年参議院議員初当選。外務副大臣、内閣府特命担当大臣、参議院予算委員長等を務める。2019年7月、群馬県知事に就任。「県民の幸福度の向上」実現のため、年齢や性別、国籍、障害の有無等にかかわらず、すべての県民が、誰一人取り残されることなく、自ら思い描く人生を生き、幸福を実感できる「自立分散型の社会」の構築を目指す。

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​黒澤 八郎(Kurosawa Hachiro)  上野村村長

1961年生まれ、群馬県上野村出身。1980年、群馬県立万場高等学校卒業後、同年、上野村役場へ入庁。企画財政課長、振興課長、総務課長を歴任。2017年6月、上野村長に就任し、現在2期目。暮らし、子育て、福祉、経済の安心を柱として、村民と共に、「全ての世代が、安心して暮らせる村づくり」を目指す。

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インタビュアー:長谷川 泰治(Hasegawa Taiji)  株式会社長谷川萬治商店 代表取締役執行役員社長
学生時代にAIを学びソニー株式会社に就職。国内外の工場にセル生産方式の導入を推進する生産革新に従事。2009年に同社に入社。流通、加工、建築施工まで一貫体制でサービスを提供できる強みと、生産革新と木育を基盤とした経営により新しい時代の木材業の構築を目指す。同時期にウッドスタート宣言をした群馬県上野村と協業し木育の推進や木製品の販売を行っている。

(3)【木育に取り組む「ウッドスタート宣言自治体」のリーダーへのインタビュー】

​『塩尻市の木育 10年のあゆみと展望』

百瀬 敬(塩尻市市長)× 海津 健司(塩尻商工会議所)

インタビュアー: 酒井 慶太郎(酒井産業株式会社)

400年の歴史を持つ「木曽漆器」で有名な長野県塩尻市では、漆器産業を支えた森林の木材生産機能の低調、また漆器需要低迷という課題解決の糸口として、「木育」による森林再生への市民の理解増進や伝統産業の販路拡大を推進してきました。商工会議所が中心となって民間事業者による「木育フェスティバル実行委員会」を発足し、2013年には長野県初としてウッドスタートを宣言しました。

漆器産業の再興、森林再生、子育て支援といった地域課題を「木育」によって結び付け、10年に渡って継続してきた塩尻市の取り組みを振り返るとともに、今後の展望を新市長へのインタビューを通してご紹介します。

百瀬 敬(Momose Takashi)  塩尻市市長

昭和45年5月生まれ。松本県ヶ丘高校、日本大学法学部政治経済学科卒。平成5年に塩尻市役所に入庁。企画課、情報推進課、観光課などに所属。平成29年から産業政策課長、令和2年からは産業振興事業部長を務め、令和4年3月に退職。令和4年10月1日塩尻市長に就任。

高校時代にサイクリング部に所属していた影響から、自転車やスキー、スポーツ観戦が趣味。

座右の銘は「われ以外、みなわが師」

海津さん

海津 健司(Kaizu Kenji)  塩尻市商工会議所 事務局長
平成4年オムロン(株)入社。平成5年、実家である(有)村上写真店の跡を継ぎ、代表取締役となる。スタジオ・結婚式場での記念写真撮影・学校の卒業アルバムなどプロカメラマンとして従事。平成21年、塩尻商工会議所入社。当初は経営指導員として、経営相談業務を担う。平成24年から2年間、市役所出向し、総務課係長・課長を経験し、現在事務局長を務める木育フェスティバル実行委員会の事務局として、9回のフェスと6回の森のフェスティバルを開催し、平成28年には第3回木育サミットの開催地として、おもちゃ美術館に協力。その他に商店街振興事業であるまちゼミ(塩尻版はシリゼミ)を平成24年に立ち上げ、事業所主体の事業として支援をおこなっている。

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インタビュアー:酒井 慶太郎(Sakai Keitaro)  酒井産業株式会社 代表取締役社長

長野県塩尻市木曽平沢(旧楢川村)出身。

宝飾業界での修行期間を経て、木曽漆器産地問屋4代目を就任。

木曽漆器から木竹生活用品また木育玩具類を全国の生産者グループと企画開発販売。

「自然のにぬくもりをくらしの中に」を社是に、森と人の暮らしを繋ぐのが役割、と日々事業に取り組む。

姉妹館連動企画

『おもちゃから考える森のこと』in木曽おもちゃ美術館

木のおもちゃで遊ぶとき、遊んでいる人にはそのおもちゃを作った人やおもちゃのふるさとである森は見えにくく、一方でおもちゃを作っている人には、おもちゃのふるさとの森は見えるけれど、そのおもちゃで遊ぶ人へおもちゃに込めた想いやふるさとの森のことは伝えにくいのが現状です。

この企画では、おもちゃ作家に木のおもちゃづくりに込める想いや伝えたいことを伺い、実際に子どもたちと木のおもちゃで遊ぶことを様子をお届けすることで、おもちゃのふるさとの森のことを知り、山で起きていることを自分事として捉え、おもちゃや遊びを通じて小さなアクションへのきっかけとなることを目指します。

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ナルカリ(Narukari)  木のおもちゃ&雑貨 ナルカリクラフト
本名は草刈成雄(くさかりなるお)。1968年大阪府高槻市生まれ。大阪芸術大学美術学科卒業後、デザイン会社勤務などを経て妻の実家の木曽に移住。そこで木工に出会い、長野県立上松技術専門校で家具作りを学ぶ。卒業後の1997年にナルカリクラフトを設立し木のおもちゃ作りを開始。2005年から糸鋸寿司という切り抜き実演を始め、電動糸ノコショーなどの糸ノコパフォーマンスを展開。映画制作部門スタジオナルカリによる木の人形ストップモーション映画「ミラクルトイズリカバー ザ ドクター」が、滋賀国際映画祭2022審査員特別賞受賞作品、福岡インディペンデント映画祭2022インディペンデントスピリッツ賞を受賞。

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岡田 哲也(Okada Tetsuya)  特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会 連携事業室

東京おもちゃ美術館ディレクターとして、展示・イベント等の企画、運営に携わる。
現在、東京おもちゃ美術館及び、全国の姉妹おもちゃ美術館の人材育成などを担当し、全国の幼稚園・保育園・子育て支援センター等で、おもちゃと遊びを広げるワークショップを展開。
またおもちゃのデザイナーとして、おもちゃを使ったあそびの研究・実践を行っている。

おもちゃコンサルタント/駒沢女子短期大学・植草学園大学・京都女子大学 非常勤講師
NHK Eテレ『まいにちスクスク』/テレビ東京『シナぷしゅ』/TBS『ラヴィット』出演

ライブ配信プログラム
録画配信プログラム
特別鼎談
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特別対談
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木曽おもちゃ美術館

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